パイオナイト
パイオナイトの
特性と原理
パイオナイトの特性
ステンレスの美しさに高耐久性を与える!
オーステナイト系ステンレスの表面硬化処理を実現した
独自技術
「パイオナイト」
パイオナイト
オーステナイト系ステンレス(SUS316など)の耐食性を維持しつつ表面を硬化させる、今までにない当社独自の画期的な技術です。
活性化処理技術を応用し、「炭素固溶拡散処理」を行うことで強靱かつ美観に優れたステンレス表面を維持します。
このパイオナイトは現在、自動車関係、産業関連、生活関連用品等様々な分野に活かされています。
断面組織写真

断面硬度分布

※硬化層自体も、安定したオーステナイト組織です!

パイオナイトの原理
処理後も安定したオーステナイト組織を保持!
活性化処理技術を応用し、 「炭素固溶拡散処理」が可能に。
パイオナイト=ガス活性化処理+低温炭素固溶拡散処理
500℃以下の温度領域で、オーステナイト組織中に炭素を固溶拡散させる当社独自の表面処理技術です。
炭素が結晶の隙間に完全に入り込むことで、硬く錆びない表面処理を実現しました。
処理硬化層自体も安定したオーステナイト組織であるのが特長です。
パイオナイト工程
パイオナイトの
優れた性能
硬い!母材硬度の3~4倍
高い表面硬度が得られ、耐摩耗性や疲労強度が著しく向上します。
部品等の長寿命化、また美しさを長く維持することができます。
耐摩耗性
窒化処理と同等以上の耐摩耗性を有し、製品の耐久性を飛躍的に向上させることができます。

供試材 | SUS316板 |
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相手材 | SUJ2浸炭焼入れ材 直径30×3.2tmm |
摩耗条件 | 0.94m/sec 400m |
潤滑油 | なし |
疲労強度
オーステナイト組織のしなやかな硬化層が疲労強度を著しく高め、薄肉、径の細い部品の長寿命化や設計の自由度を拡大させます。

供試材 | SUS316ワイヤー |
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耐焼き付き性
パイオナイトは安定したトルク係数値を示し、ボルトなど締結部品の焼き付き防止に、効力を発揮します。

供試材 | 六角ボルトM8 |
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軸力 | 100MPa |
締付回数 | 10回 |
状態 | 未潤滑、乾燥 |
錆びない 耐食性の維持
オーステナイト系ステンレスの耐食性や耐孔食性を維持します。
耐酸性
パイオナイトは優れた耐酸性を示し、
日常問題となる腐食環境にも幅広くご利用頂けます。

傷つきの防止
研磨によりステンレスの美しい質感が得られ、
耐食性および硬度の高い表面は
製品を傷つきから守り、永く美しさが維持されます。

しなやか 靭性の維持
メッキや窒化層とは異なり、
曲げても亀裂や剥離が生じないのがパイオナイトの硬化層です。
この特性は曲げやプレス等の塑性加工時に
大きなメリットをもたらします。

非磁性の維持
オーステナイト系ステンレスの特性である非磁性を維持。
磁性材料を嫌う精密部品、電装部品への表面処理に
威力を発揮します。

パイオナイトプラス
耐食性に加え、更に優れた耐摩耗性を付与することで、より過酷な摺動摩耗環境での耐久を実現します。
適用分野 | ターボ部品、ベアリング部品 等 |
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